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2019年08月13日、インターネットテレビ『AbemaTV』で放送している番組『AbemaPrime』で、二代目東組『四代目関谷組』に密着取材した特集が放送された。

番組のVTRで、二代目東組渉外委員長で四代目関谷組の木村雄治組長と、四代目関谷組の森口政成組長代行が出演し、組事務所を案内したり、ヤクザの現状などについて語っている。スタジオでは暴対法と暴排条例の是非や、ヤクザの家庭で育った子どもの実情、元ヤクザの更生復帰などについて議論していた。


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番組の一部をピックアップします。


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―― この日、取材班が向かったのはあるヤクザの事務所。

組員『もう(カメラ)止めてもらっていいですか? (本部に向かう)経路も映ったらいかんのです。例えばこれが抗争時に狙われる側になった来た時に・・・』


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―― 大阪市西成区にある二代目東組の本部事務所。二代目東組は全国に24ある指定暴力団のひとつ。構成員の数は約130人。


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組員『ニャァァーーイッ!!!!!!!(二代目東組?) 三代目赤松組ですね、ご苦労様です。三代目赤松組からの定時(連絡)です』


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―― 木村雄治。彼は二代目東組の若頭補佐(渉外委員長)であり、四代目関谷組の組長。


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―― 大阪府堺市。ここに二代目東組の二次団体、四代目関谷組がある。組員の数は10人あまり。


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―― なぜか事務所の入口は開いたままで、中が丸見えの状態。

スタッフ『扉はずっと(開いている?)』

森口『開いてますよ、日中も』

木村『何やったらここへ拳銃持って来てくれたらええ。カチコミにな』

スタッフ『そういう危険とか無いんですか?』

木村『いやないですよ、そんなん』


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森口『昔みたいにな、威張ってどうこう言う時代ちゃうから。(近隣の)皆さんと仲良くさせてもろておるというスタイルじゃないとね、成り立たん。ほんまヤクザはもう、そんなもんなぁ、出来るはずもないやろう。今の世の中な』


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木村『別に毎日焼肉食いに行ってステーキ食いに行ってね、そんな気持ちなんか毛頭無いしね。んで金も無い。現実金ない。自分の度におうた形でええわけですよ、そんなんわね』


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森口『「貧乏したらええやんか」って兄貴は言う。じゃあどうすんねん。どっかから金もらわな生きてけんやんか。組やるっつって。そういうもんの考え方は根本的に違うわしは、わしの考えは。そうだろう。ヤクザするんだから。金持ちだったら(金を)取りに行くし、捕まれば刑務所に行く。捕まらんかったらそれでいいし、しかないんだわしは。わしの考え方は』


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組員『口座作られへん、ローンでけへん。もう生きる術を、社会生活がでけへんようになってくる。やっぱり』


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木村『今の中では、ヤクザをあえてするということなんか、発想がもう無いとは思うねん。今もうまず無いと思う。それぐらい今のヤクザの世界はもうそうやんか、明らかなもんがあるやん』


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―― 四代目関谷組には10~30代の組員は居ない。組員たちもヤクザの未来は無いと分かっている。

―― 家族に迷惑がかかる心配から、ある組員は妻と籍を入れていない。

組員『嫁さん子供まで、一緒くたにさせられるからですよね。反社会勢力という輪っかに入れてね、追い込んでしまう』


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森口『ヤクザっちゅうのはほんまね、やっぱりクズよ、クズかもしれん。わしはそう思っとるんよ、ひとつは。みんな嫌がっとる。その上でまだねヤクザするっちゅうんは、ほんまクズよね。アホよね。やっぱり苦労かけとるもん、身内には。(ヤクザを続けているのは)兄貴が好きだからね』


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―― 当時23歳だった木村組長は、組員が襲撃された報復として、相手組員2人を殺害。18年にわたり服役した。

木村『死んだ人に仁義として、同じヤクザで物事したから、ヤクザであらないかんと思うわけですよ。それだけのことですよね。ちょっとでもその人間らに、恥ずかしくない生き方はせないかんなって』


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三谷『どうですか小藪さん』

小籔『なんかあのー、ヤクザの人達は非合法なことをしてお金を得たり、拳銃撃ったりするからよくない人ですけどね、こういう問題の時に暴排条例とか出来て、日本は安全なったんかって言うと、地下に潜るんじゃないか、半グレみたいなんが増えるんじゃないかって、結果その通りなってるから、暴排条例が出来たことが成功やったんかどうか聞きたい』

小藪『ああいう人たちを減らすために、実数ではヤクザは減ってきてますよね、でもその銀行口座なしで、家も借りられへんっていうのは、僕どっかで、憲法違反なんちゃうんかなっていうか。僕も記憶が確かであれば、(憲法で)平等やみたいなこと、生存権とか。なんかちょっと憲法違反なんちゃうの、こんな法律(暴排条例)作ってええんかなって薄っすら思ってたんすけど』


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大谷『暴力団の取り締まりってのは当然やらなきゃいけない。不当な資金稼ぎをしているわけですから。ただそれは、合法的に取り締まらなきゃいけないわけであって、相手が悪い人たちなんだからって、何でもかんでも取り締まってもいいのかと。逆に言えば、そうまでしなきゃ警察は出来ないのかと。警察の真価が問われているわけですよね。そうすると、たとえば銀行口座の開設まで止めて、お子さんの給食費の引き落としも出来ないじゃないかと。いうようなことでですね、本当に(ヤクザを)根絶できるんだろうかと。本来であればしかるべき警察力を駆使して取り締まるべきであって、そういう形で回りから攻めて行っても、結局そっから脱落した人たちはまた悪事に走るしかないんじゃないかと。数は減っても、根絶は出来ない。違法に資金稼ぎをしているわけですから、根絶はさせないといけない、ただこの形がいいのかどうなのかってのは、議論しないといけないとこだと思うんですね』


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小藪『(ヤクザの)家族とか奥さん、可哀想やなって思ってしまうよね単純に。ヤクザの人は悪いけど、子供も一連なん? まぁ一連なんかな。俺はなんか、そこで生まれた子も、貧乏したり給食費払われへんくてイジメられる。え?』


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三谷『まぁでも、その子供たちも、運悪くヤクザの子に産まれてしまったっていうのはあると思いますけど、不当なお金で生活しているっていう点では、仕方ないっていう面もあるんじゃないですかね』


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安部『いやいや・・・それはそのおかしいですね。個人の話ってのが家族の責任までなっちゃうっていうのは、それは家族主義が行き過ぎているって話しであって、基本的には個人一人一人に権利とかが付与されている国ですから、それはやっぱ、そうであってはいけないと思いますよ』

三谷『まぁそうですね』

小藪『ぼんやり紬ちゃんのね、思う正義感、それぐらいダメだと思うことも全然わかるけど』


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小藪『なんやろな、ようたまにあるワイドショーとかでも、こいつ不倫したから何でも言うたったらええねんとか、こいつ悪いことしたから何でもこき下ろしたったらええねんみたいになってるのが、僕ちょっと嫌なんすよ。罪を憎んで人を憎まずとするなら、そのやったことはアカンけど、他のそれやりすぎちゃうんとか、それ言いすぎやんとか、えっそこまで調べんのそれ関係なくない今回とか、思うことが多い』


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石井『ヤクザの家庭の中で育った子供たちを20人ぐらい取材しているんですけど、だいたいどういう状況かって言うと、親はだいたい覚せい剤中毒です。結婚も男も次から次に変わる。で、子供も次から次に作って、5~6人子供がいて全員お父さんが違う、でお父さんが全員ヤクザって状況』

石井『覚せい剤を10~20代で覚える、そうすると覚せい剤中毒になるのと、もう一つ重要なのはセックスなんですね。セックスがものすごく気持ちいい。セックスをやりたい、覚せい剤をやりたい、この2つがまず頭の優先に入るんですよ』


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小島『覚せい剤をやるとセックスが快感が得られるから?』

石井『そうなんです。これがまずセットになっているんです。そうすると結局、男もコロコロ変わって、女性もコロコロ変わる。で、家庭を見るとさっき言ったように、5~6人兄弟がいるんだけど全員お父さんが違う、家の中には常に売人がウロウロしてる。お父さんに覚せい剤を打たれた、あるいは性的虐待を受けた』

小藪『子供が?』

石井『これは日常です。表に出てこないだけです。取材するとほぼほぼそうです』


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三谷『えーーーーー』

小藪『(覚せい剤を)打つ、子供に?』

石井『子供にです。もうお父さんもどのお父さんかも分からないです。次から次に半年ごとに違う男が入ってきて、売人のお客さん達が旦那になってったりっていう、もの凄くぐちゃぐちゃな世界なんですよね、現実は』

石井『最終的には子供がグレますよね当然、グレる人も多いわけです。そうするとお父さんお母さんが覚せい剤を子供に渡す、売らせる、そしてその子供たちの暴走族の不良グループの中まで売っていく。そういったようなことが日常的に起きてしまっているわけです』


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大谷『シャブであるというなら、覚せい剤取り締まりで摘発すればいいわけですよ。こんな銀行口座うんぬんだとか、交際がうんぬんだとか、いうことでやってたって気運にはならないです。こういう形でやってくということはですね、必ず副作用が出てくるわけですよ。さっきの子供の話もそうですし。王道で行って壊滅させていかないと、(暴力団員が)減りましたって、じゃあ減った方の人達はどうなってるんですかと。何にも分からないで減った減ったと、言ったって社会は安心しないわけですよね』


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小藪『一流企業に勤めたとか、農家されてるとか、そういう人が6万人いますとか言うてくれたら、減った6万はちゃんと就職されてんねや、で安心ですけど、ただ減っただけやったらどこおんのってなるだけ』

門脇『(暴力団を辞めた人の)就職率も2~3%ですからね。1年以上(仕事が)続く人ってもう本当に僅かなんですよ。あとその後の人がどこ行ったかってわからんですよね』


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石井『取材してて面白かったのが、組に居ながら土建の仕事をしたり廃品回収したりという組員がいる。その仕事で稼いだお金を今度は、月収で言うと10数万円ですよ、月収10数万のうち半分ぐらいは組に入れて、当番に行ってと、正業しながらヤクザを続けている人がいるんですね。なんでそれを続けるのかというと、自分のステイタスというか、そこが(組が)アイデンティティになったり居場所になっちゃったりしているケースってのがあるんですね。そうするとヤクザっていうのが、昔は金稼ぎの会社みたいな感じで入れば金持ちになれるってものだったんですけど、今は逆に言うと、社会から外れた人たちの居場所みたいになってる意味合いももしかしたらあるのかなと』


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大谷『一生懸命働いてなんとか足抜けしようと思っている人いるわけですよ。ただそれにとって5年間(辞めても5年間は組員扱い)ってのはね、やっぱりあっちの生活の方が楽だったと、いうことになるわけですよ。だからそこは考えましょうよと』

小島『暴排条例ってつまり、ヤクザでいる限りあなたはもの凄い不利益を被りますよって条例ですけど、それだけだと、じゃあでもヤクザ以外に行き場所が無いってなっちゃうから、そのかわりこっち、こういう風にやったらいい人生があるんですってのも言わないと』


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門脇『やっぱりね、この5年ルールっていうのは私も正直言うてこれちょっとキツいなぁと思いますね。受け皿的な条例をね、もっと整備して、太陽の政策と北風の政策とね、両面でっていうのが大事かなあと思います』


なぜ今? Abema Primeで指定暴力団「東組」特集を放映へ
2019年08月12日

(Real News On-line!) https://rno.jp/archives/8037

「あえてヤクザになるという発想はもうない」「嫁や子どもまで一緒くたに」現役組長・組員が明かした暴力団の実像
2019.08.15 10:00



(AbemaTIMES) https://abematimes.com/posts/7014977



二代目東組について

二代目東組は独立組織、大阪市西成区に本部を置いている。総長の東清は砂子川組や山岡組の流れを汲む大阪の独立組織『池田組』傘下の信貴組で活動していたが、信貴組が解散すると1960年頃に東組を立ち上げた。

東組は数々の抗争を繰り広げていて、1973年に三代目山口組山健組と抗争、1982年に三代目山口組桜井組と抗争、1983年に五代目酒梅組との『新大阪戦争』、1985年に四代目山口組倉本組と抗争、1987年に四代目山口組杉組・須藤組との『泉州抗争』など、度重なる抗争を戦った。

2010年02月に東組は代替わりし、東組若頭であった滝本博司が二代目東組組長に就任。東清は総長のままで引退はしていなかったとみられる。2014年に東清総長は死去。葬儀には六代目山口組から統括委員長の橋本弘文や舎弟頭だった入江禎らが参列した。

2015年03月、東海テレビが二代目東組『二代目清勇会』に密着取材したドキュメント番組『ヤクザと憲法』がテレビ放送された。組に100日間密着取材し、40分テープ500本を撮影した番組は反響を呼び、2016年01月に映画化された。

ヤクザと憲法は、2015年の日本民間放送連盟賞の優秀賞、第52回ギャラクシー賞テレビ部門の選奨、ヤクザと憲法を含めた一連の東海テレビ制作のドキュメンタリー作品が第66回菊池寛賞を受賞している。


(追記)

AbemaTVに出演していた木村雄治組長が、覚せい剤の密輸で逮捕されました。





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ヤクザと憲法――「暴排条例」は何を守るのか