2021年01月、複数の事件で逮捕・起訴されていた、五代目工藤會のトップである野村悟総裁の裁判が福岡地裁で開かれ、検察は野村総裁に死刑を求刑した。
野村総裁は元漁協組合長射殺事件、看護師刺傷事件、歯科医師刺傷事件、元警部銃撃事件、脱税事件で逮捕・起訴されていて、脱税事件では懲役3年が確定している。指定暴力団のトップが死刑を求刑されるのは日本の刑事裁判史上初のことで、判決が注目されている。
五代目工藤會は福岡県北九州市に本部を置き、九州で最大規模の暴力団であった。長年に渡って市民を襲撃する事件を多数起こし、元警察官も狙うなど、凶悪性が際立つ組織とみられ、2012年末に日本初の特定危険指定暴力団に指定された。
福岡県警は『工藤會壊滅作戦』を開始し、2014年09月にトップの野村総裁が逮捕され、ナンバー2の田上会長、ナンバー3の菊池理事長も逮捕。これまでに約400人もの工藤會構成員が逮捕され、離脱する組員も相次ぎ、勢力は減退。本部事務所の工藤会館は差し押さえられ、取り壊されていた。
2021年08月24日、野村総裁の元漁協組合長射殺事件など4つの事件の判決公判が開かれ、裁判長は死刑の判決を言い渡した。判決の翌日、野村総裁は判決を不服として控訴した。
2024年03月12日、野村総裁の元漁協組合長射殺事件など4つの事件の2審の判決公判が開かれ、裁判長は元漁協組合長射殺事件を無罪とし、1審の死刑判決を破棄して無期懲役の判決を言い渡した。続きを読む